鎌倉大仏として広く親しまれている高徳院の本尊、国宝銅造阿弥陀如来坐像の建立が開始されたのは1252(建長四)年ごろのことと言われています。像高約11.3m、重量約121t、金色に光り輝く(完成当初、鎌倉大仏は金箔で覆われていました)尊像の偉容は、否応なく人々の関心をひき、その姿を目にした人の心に強い印象を残したことでしょう。鎌倉の大仏に関する記述は、歴史書、紀行文、戯作など、さまざまな書物のなかに残されています。その内容も、大仏建立の経緯を伺わせる公的な記録、天災による大仏殿の倒壊や大仏像の修復に関する記述、旅の名所として大仏を紹介したものなど、多岐に渡っています。さまざまな時代の先人たちが、さまざまな視点から記した文章を通して、鎌倉大仏の履歴が浮かび上がってきます。
吾妻鏡(東鑑) 鎌倉大日記 長明道之記(東関紀行) 鎌倉物語(鎌倉名勝記) 山東遊覧志 遊歴雑記 滑稽荏乃島土産 江の島 鎌倉紀行金乃わらじ 四親草 太平記 鎌倉紀行